この記事は2022-11-23に、MODO 16.0v3 (Windows用/日本語版)の仕様をもとに書かれました。
■Modoのレイアウト画面をカスタマイズする機能について
Modoのレイアウト画面の各機能には、
・左上端にThumb(サム)
・右上端にWidget(ウィジェット)
と呼ばれる機能が配置されています。(画像の赤枠の箇所)
サムはは主に、その機能画面(ビューポート画面)の複製、分割、ウィンドウ化、削除といった操作や、表示項目のカスタマイズ、位置固定といった事が出来ます。
一方、ウィジェットは、その領域に表示される機能自体を別の機能に変更するのが主な役割になります。
サムとウィジェットはModoの各ビューポート機能ごとに存在するものなので、初心者が意図せず設定を変更してしまった後に元に戻せなくなり焦るという意味では、一番の初心者キラーな存在かもしれません。
(その件については前回の記事、「
」にて、その対処方法を紹介していますので、そちらも参照願います)
Modoの画面構成はまず大枠のフレームワークを定義し、フレームワークによって分割された各地域をサムで区画整理し、区画整理された各分譲地にウィジェットで機能を割り当てる、といったイメージになります。
本格的に画面をカスタマイズする場合の機能説明については、マニュアルや公式サイトの情報、他のサイトの記事にまかせるとして、ここでは初心者がちょっとしたカスタマイズをする場合に参考となる情報を記載したいと思います。
(というか、Configファイルの仕様とかModoのバージョンアップ後のカスタマイズ情報の移行方法の説明は、自分には絶対無理だし)
■Thumb(サム)、区画整理したり機能を外に追い出す地上げ屋 兼 土建屋さん
サムは各ビューポート機能の左上端に存在しており、その場所にマウスを移動すると、該当するビューポート機能の外枠がオレンジ色に変わります。
そして、その場所で右クリックを押下すると、下記のコンテキストメニューが表示されます。
サムの注意点ですが、オレンジ色のフォーカスが当たっている状態でその場所をドラッグ&ドロップすると、その機能が外部のウィンドウに外出しされ、元の場所の機能が無くなります。
機能が無くなった場所のフレームワークの枠に面する他のビューポートが1つであれば、外出しされたウィンドウのサムをその境界部にドラッグ&ドロップする事で、元の場所に同じ機能をコピーする事が出来ます。
しかしながら複数のビューポート機能に面するような場所の機能を外出ししてしまった場合は、その場所の境界面が複数存在しているので、どちらか片方の境界面にしか戻せないケースが発生します。
その場合は、戻したい境界面に面する他のビューポート機能を消して、改めてサムで分割し直すといったパズル的な作業を強いられる事になります。
これがサムが初心者キラーだと思う理由です。
どうしようもなくなった場合は、前回の記事、「
」で紹介したdebug.crashコマンドの実行も一案ですが、作業中のためすぐに実行出来ない場合もあると思います。
手動でのUIの復旧に迫られた場合やUIをカスタマイズしたい場合のために、以下にサムの各機能の動きを一覧にまとめます。
複製
対象のビューポート機能が水平に分割されます。
(後述の「水平に分離」と同じ動作になります)
コピー
ビューポート機能がウィンドウに外出しされます。
元画面はそのまま残ります。
解除
ビューポート機能がウィンドウに外出しされます。
元画面は消えます。(移動に相当)
削除
対象の機能が削除されます。
最大化/復帰
対象のビューポートがフレームワークの範囲内で最大化します。
「← →」のアイコンを押下すると元のサイズに戻ります。
最小ヘッダ―
最小ヘッダーのチェックを外すと、
上部に機能名が表示されます。
最小ヘッダーのチェックを入れると、
機能名欄が非表示になります。
幅を固定
チェックを入れると対象の機能の横幅が変更出来なくなります。
高さを固定
チェックを入れると対象の機能の縦幅が変更出来なくなります。
水平に分離
水平に分割を選択すると対象のビューポートが
水平方向に分割され、同じ機能が複製されます。
垂直に分離
垂直に分割を選択すると対象のビューポートが
垂直方向に分割され、同じ機能が複製されます。
4分割
4分割を選択すると対象のビューポートが4分割
され、同じ機能が複製されます。
■Widget(ウィジェット)、その場所に表示する機能を割り当てる手配師
ウィジェットをクリックすると、以下のようなコンテキストメニューが表示されます。
最上部にはクリック元の機能と同じカテゴリに属する機能が一覧表示され、その下の3D 編集~アプリケーションの階層メニューには、全てのビューポート項目がサブ階層に格納されています。
個人的には、ウィジェットを押下した時に、対象のビューポート名がコンテキストメニューの最上部に表示されるとか、あるいは1つ前に表示していた機能へのアンドゥ機能があれば凄く便利なのに、と思います。
そのほんのちょっとした違いで慣れないうちはどれを選んだらよいかよく分からなくて、あまり優しくないんですよね、ウィジェットは。
ビューポートの機能名は、そのビューポートのウィジェットをクリックしたあとビューポートコントロール>最小ヘッダーのチェックを解除する事により確認が可能です。(あるいはサムのコンテキストメニューにある最小ヘッダーのチェックを外しても同じ確認が出来ます)
その場所に表示する機能を変更したい場合は、元に戻す場合に備えて事前に確認しておくとよいでしょう。
しかし意図せず機能を変更してしまった場合には、元の表示していたビューポート名が分からないので、ウィジェットの機能一覧の中からそれらしい機能名称を選んで探す事になります。
機能名がイメージしやすいものなら比較的選びやすいのですが、ウィジェットの機能一覧は階層構造になっており、中には似たような名称のものも存在するので、慣れないうちはあれこれ試行錯誤する事になるでしょう。
(希にサムやウィジェットの無い(開発中?の)機能があったりするので、そういう機能を選んでしまった場合は以降の機能選択が出来なくなくなるのでdebug.crashのお世話になると思います)
それ以外のポイントとしては、以下の2つの項目が上げられます。
ビューポート設定:
階層メニューを示す三角ボタンが無い場合は、ビューポートプロパティ画面(歯車アイコンを押した時の画面)が表示されます。
階層メニューを示す三角ボタンがある場合は、機能一覧がサブメニューとして表示されます。
サブメニューの機能一覧の中で機能が有効になっているものにはチェックが入っています。
複数のチェックを入れたい場合には、SHIFTキーを押しながら対象の項目をクリックします。
ビューポート
コントロール:
この項目を選択すると、サムのコンテキストメニューがサブメニューとして表示されます。
※ビューポート設定の階層メニューの一例。 上記の例ではデバッグ用?と思ってしまう項目も存在しています。
■設定例、常にXYZ座標が表示される3Dトラッキング画面を作る
Modoのモデル画面の画面下部にはデフォルトでX,Y,Zの座標を表示する「ステータスフィードバック」画面が設置されています。
モデル画面上でマウスカーソルを動かしている間はX,Y,Zの座標が常時表示されますが、マウスを止めたりモデル画面の画面外にマウスカーソルを移動すると、座標表示が非表示になったり、座標の代わりにヘルプが表示されたりします。
これは ステータスフィードバック>ウィジェット>ビューポート設定 の「ツール」と「マウスヘルプ」の2つにチェックが入っているためです。
常にX,Y,Zの座標を表示するように変更したい場合、ステータスフィードバック画面の ウィジェット>ビューポート設定 にマウスカーソルを合わせ、チェックの入っているツールを改めてクリックします。
すると「ツール」だけにチェックが入った状態になるため、常にX,Y,Zの座標の表示されるステータスフィードバック画面になります。
元に戻したい場合は、もう一度 ウィジェット>ビューポート設定 にマウスカーソルを合わせ、SHIFTキーを押下しながらサブメニューの「マウスヘルプ」をクリックして下さい。